夜、俺は里衣にメールをした。
メールは10分後くらいに返ってきた。
何通かやりとりをしていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。
次の日、学校で里衣とすれ違うと、里衣は小さく笑って手をふってくれた。
俺も右手を挙げて、答えた。
すると、一緒にいた遥斗が俺に質問をぶつけてきた。
『お前、磯島里衣とどんな関係だよ!
昔から、いっつも凌央ばっかりモテるんだよなぁ…』
『そんなんじゃねぇよ。昨日、初めて話して友だちになっただけ』
『へぇ…。でも、凌央は好きなんじゃねぇの?』
簡単に当てられて、俺は言葉につまってしまった。
『…何でだよ』
『だって、凌央はモテるくせに女子に興味なさげだったじゃん。
けど、磯島里衣には興味があるように見える。
だてに、親友やってねぇよ』
『まだ、分かんねぇよ。
昨日、初めて話したばっかだし。
ただ、他人のコトがこんなに気になるのとか初めてなんだよ』
『凌央もやっと大人になったかー…。
磯島里衣なんか、ライバルいっぱいいるぞ』
『んなの、知らねぇよ』
『ま、俺は親友として応援してあげるとするか』
遥斗はそう言って、俺の肩をたたいた。

