純香は、不安定に揺れる瞳で俺を見たまま何も言わない。
そして、涙を一筋だけ流して言った。
『…分かった。
今まで、苦しめてきたのホントは分かってたの。
篤人は、前に進んで。
もう、連絡しないから。
さよなら』
純香は、フラフラと立ち上がると店から出ていった。
店員の人が、やってきてバニラシェイクをふいてくれた。
俺は、『すいません』と一言だけ言った。
これで終わりか。
純香から、もう電話はかかってこないだろう。
俺たちの関わりはもうなくなるんだろう。
会うこともなくなるかもしれない。
言いたいコトが言えたはずなのに、どこかモヤモヤする。
最後の純香の声が、涙が頭から離れない。
なぜか、嫌な予感がする。