『向き合ってみるよ。
純香に、俺の意思をちゃんと話してみる。
逃げてばっかじゃ、ビビってばっかじゃ何も始まらねぇもんな。
光も、今の純香のままじゃいけないって思ってると思うんだ。
凌央、ありがとな。
お前、いいヤツだな。
里衣が好きになったのが分かる気がする』
『いえ、全然っす。
俺も、篤人さんがいい人で、良かったです。
里衣の初恋の人が、いい人でホントに良かったです』
『お前、ホントに里衣のことが大切なんだな』
『はい』
俺は迷わず答えた。
篤人さんとケー番の交換をしてから、ファミレスを出た。
篤人さんは
『ぢゃぁな』
と右手を挙げて、反対方向に歩いて行った。