次の授業からは、教室に戻ることにした。
星野は、まだここにいると言ったから俺は一人で教室に向かった。
その後の授業は、全然覚えてない。
それぞれの抱える痛みや、気持ちが俺の頭を支配していた。
里衣の傷痕、星野の傷痕。
過去が、思い出が、古傷となって心の中でうずく。
それが弱さや孤独を生む。
誰かに頼るのも、寄りかかるのも、当たり前のことで悪いことなんかじゃない。
でも、星野は桂木篤人に痛みを共用してほしくて、押し付けてる気がする。
桂木篤人は自分なりに光のことを思い出にしようとしてるのかもしれない。
ふと、そんな考えが頭をよぎった。