『今でも……、どうしようもなく不安になったり辛くなると、篤人に電話しちゃうの。
自分ではいつまでも寄りかかっちゃいけないって分かってる。
でも…光のことになると、あたしダメになって… 気付いたら電話しちゃってる。
独りがどうしようもなく怖い』
いつも、強気に見える星野が危なっかしくて脆く見えた。
前の、里衣と重ねてしまう。
『でも、星野…
もう、立ち直ったんじゃ』
『ごめんね、強がって嘘ついてた。
同情されたり、心配されるのはあんまり好きじゃないの。
それに、自分に言い聞かせてたんだと思う。
過去は見ない、今を生きるって。
あたしは…、凌央くんが思ってる程、多分強くない』
その時の星野の瞳は揺れていて、今にも壊れてしまいそうだった。
でも、俺にはどうすることもできなかった。

