記憶の片隅に





『凌央』





『俺だって、優吾と同じだ。

あいつが幸せなら、俺も安心して幸せになれる。


俺が願ってたのは、里衣の幸せだけ。

それは、これからも一生変わらねぇよ』





そう、俺の中では何も変わっちゃいないんだ。




願うのは、ただ一つだけ。




『凌央の気持ちが知れて、よかった。

今日は、俺の中でもちゃんと整理するつもりだったんだ。

凌央の話聴いて、俺の中で里衣への気持ちも全部…片付けようと思ってた。


疲れてるのに、悪かったな』







『いいよ、別に。

こっちこそ、優吾の話聴けてよかった。

誰にも言えないでいたこと、お前になら話せたから。


里衣はさ、色んな形で守られてるんだな。

俺なんかいなくたって、あいつには味方がいっぱいいる。

きっと、里衣は幸せになれる』





『そうだな』





俺たちは、店を出て、途中まで一緒に帰ることにした。