記憶の片隅に





『…凌央。

もし、あたしがまた凌央と付き合いたいって言ったら…

凌央はどうする?』





里衣の質問に驚いた。



里衣がそんな曖昧なコトを聞いてくるのは初めてだった。





でも、ここで突き放さなきゃいけない。




今、また付き合ってもまた間違うだろう。



まだ幼いままの俺だから、また傷つける。




大切な物は、壊したくないのに、傷つけたくないのに、手に入れたいのに…




どうしても、ダメなんだ。



俺の弱さが、情けなさが里衣を壊してしまいそうだから。





『里衣、リセットされたものはもう元には戻らねぇよ。

里衣の記憶と一緒に、俺たちの関係もリセットされたんだ。

もう、全部オワッタンダ』