−凌央side−
里衣と別れてから、しばらく経った。
それでも、俺の中で里衣はまだ一番だったし、簡単に忘れるコトなんて出来る訳ないと自覚していた。
俺は里衣と同じクラスじゃないから、会うのは休み時間の食堂や廊下だった。
里衣はいつも猪股と一緒にいて、俺は遥斗と一緒にいる。
猪股と遥斗がけっこう仲良いから4人で話すことはよくある。
別れてからは一度も、2人で話したことはない。
話したとしても、“友だちとして”
俺が望んだ関係のはずなのに、こんなに辛いとは思わなかった。
いつも、近くにいるものだと思ってたから。
俺はいつまでも里衣といれるんだって、思い込んでたから。