『…ただいま』
家のドアを開けると、ママが玄関まで出てきた。
『里衣、平気なの??
優吾が、自転車届けに来てくれて、心配してくれてたわ』
『もう、平気だよ。
優吾には、また今度ちゃんとお礼言っとく』
『ご飯、用意できてるわよ』
『今日は、いらない。
ごめん』
『そう、分かった』
あたしは、もう一度だけごめんね、と呟いて自分の部屋に入った。
電気はつけなかった。
今は、暗闇が落ち着いて、安心できた。
ベッドの上でうずくまってみる。
自分の心臓の音がやけに大きく聞こえた。
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