ギュッと唇を噛みしめる。



力のこもったあたしの体を優吾が優しく抱き締めた。





『…なんで。

何で、何も言ってくれなかったんだよ。


どうして、里衣はいつでも自分だけで重いモノ持とうとすんだよ。


頼れよ。

たまには、抱えてる荷物おろせよ。


見てるこっちが痛い』





『…優吾。違うの。

自分の抱えてるモノ、誰かに預けたらダメになる。


自分も、傷つくし。

大切な人も傷つける。


あたしは、もうこれ以上大切な人を傷つけることできない。


自分の荷物は、自分で背負ってく』