記憶の片隅に





『……ここ、優吾の部屋』




幼い頃、何度も遊びに来た部屋。




『里衣の家より、俺んちの方が近かったから連れてきた。


何もしねぇから、安心して休んでけよ』





『…ありがと』





優吾の真っ直ぐな優しさが、今は嬉しかった。




でも、また関係ない人に迷惑をかけた。




強くならなきゃ。




もうこれ以上、周りの人を傷つけるコトなんてできない。




あたしは、一番大切にするべき人をズタズタにしてしまったから。



そのくせ、気持ちに気づいてしまったから。




最低なあたしを

優吾は優しい手で救ってくれた。