記憶の片隅に





夢をみた。




誰かの腕の中にいる。



ためらいがちに、あたしを抱き抱えてる。




温もりと、心臓の音が伝わってきてあたしを安心させる。




誰?


あたしを優しく抱き抱えてるのは…





“………い…”




“……り……ぃ”




“……里衣!”




あたしを呼ぶ声に気づいて、あたしは意識を取り戻した。




『…優…吾』




そこにあったのは、相変わらず整った優吾の顔だった。