記憶の片隅に





『…あたしが、終わらしたんだよ?』





『だけど、里衣は凌央と間違えただろ?

凌央のコト、考えてたんだろ??』




はるくんに、心を見透かされてるみたいで焦る。




バレたくない。


密かに抱かれた感情を他の人には見せたくない。



もう、全部終わったんだから。





『あたしの中で、凌央のコトは終わったの。

もう、いいの』





『じゃあさ、どうして…』




次に言われることが何となく分かる。



耳を塞ぎたい。




『里衣は、どうして泣いてるの?』




どうして、泣いてるの?