記憶の片隅に





里衣のお見舞いに行った日。




里衣と中島を、病室に二人にして帰ってきた。




里衣に全て教えてあげたい。



里衣がどれだけ、中島を想っていたのかも

二人の想い出も

何もかも、伝えたい。




でも、それはあたしが言うコトじゃない。




里衣と中島で探して、見つけていくコト。




そう考えると、あたしにできることはホントに何もない。




病院の屋上に向かった。



幸い、誰もいない。



里衣が笑う。

中島が笑う。

皆が笑う。


その光景は、もう見れないの?





ごめんね、里衣。



何もできない、無力なあたしで。



ごめんね、中島。



何も力になれなくて。




また、涙出てきた。



次から、次へと溢れる。