星野の言葉は、俺の心にすんなりと入ってきた。





『だよな。 サンキュ』




星野は小さく笑うと、机にうつ伏せて居眠りを始めた。




星野の寝顔は、“この世の中の全てのコトが自分には関係ない”と言ってるような顔で




星野のように、上手に過去を乗り越えたいと思った。





でも、この時はまだ知らなかった。




星野の傷跡がどれだけ深くて、簡単に完治できる物じゃないということを。




星野が誰にも見せずに、一人で背負っていた想いを。




何も


何一つ


気付かなかった。