暫く待って悠也くんがでてきた。





悠『ごめん、思ったより遅くなって!』





そう顔の前で手を合わせ申し訳なさそうに謝る悠也くん。





別に遅かったからって怒らないのに…。





里「いいよ。それより早く出よ?悠也くん。」






そう言いながら悠也くんの手をとり引っ張る。






悠『ち、ちょっと!』






が、一瞬にして繋いだ手は離れてしまった。





いや、離れたっていうか…、悠也くんに離された。





そんな些細なことなのに、胸が痛かったんだ。






悠『ここ、学校だし。』






そう言って悠也くんをじっと見つめる私を置き去りにして悠也くんは歩きだした。





悠『俺と里緒。学校内では先生と生徒って立場だから。



こういう場面見つかったらヤバイし…ね?』





そう私に背中を向けながらいう。






悠也くんが言葉にした私達の先生と生徒という立場。





その言葉が、私に大きくのしかかった。






これが、私と悠也くんの禁断の恋の始まりだった。






“先生”と“生徒”





この今の立ち位置は、私が卒業しないかぎりは…





変えられない。