龍なる羽 弐【完】



車を降りると、でっかい家がある



そりゃあ、斎藤財閥って言ったら世界有数の財閥だから納得するけど…




私は寧ろ、このでかい家が嫌だ




人間の温かさが感じられない




ただ、悪魔が住んでるだけ





…でも、少し違和感がある




前と何かが違う。





何だ…?




ーーーーー…あ、





“表札”だーー






私がいたときは“斎藤”と書かれていた表札が、今は“新橋”と書かれていた





新橋は確か、あの男の旧姓





だけど、何で表札が変わってんだ?




「……おまえの親父が遺書を残してたんだよ」



私が疑問に思っていることが分かったのかあいつがボソッと小さく言った




「遺書…」



「あぁ、そこには、斎藤財閥の跡継ぎは朔埜(さくの)龍騎に…って書いてあったんだよ」




「龍騎!?……そうなんですか」



まさか、ここで龍騎の名前が出てくるとは思わなかった



でも、なんか納得




何でかな




私、何か忘れてる気がする