嵐side



俺は斉藤嵐


柚李の双子の兄


で、今から“あの事”を話すつもり


柚李と龍騎さんに…ー。



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10年くらい前のこと

俺の父親の名前は流綺(るき)

母親の名前は亜柚(あゆ)

「パーパ!!マーマ!!」


「なに?どうしたの柚李」


「あんねっ!!あらが虐めてくるの…」


その時の柚は俺の事〈あら〉って呼んでた


「またぁ!?

もう、嵐もやめなさい」


「ごめんなさい」


「まぁまぁ…


嵐、あそこに行くか?」


俺はあそこと聞いてすぐに倉庫だと思った

「うん、行く!!!」と深く頷いた


父さんはそんな俺を見て優しく笑って


「じゃあ、行くか」


「柚も行く!!!」


「柚はめー」

「マーマ!!ゆーも!!!」


「駄目なもんは駄目なの


ホットケーキ焼いてあげるから我慢してくれない?」


「我慢するぅ」


「じゃあ行ってきまーす!!」


「行ってらっしゃい!!」



















母さんの声を聞いたのはこれが最後だった