龍なる羽 弐【完】



………って、私なんか忘れてない?



「……あぁ!!!!」


「んだよ」



いきなり叫び声を上げた私に対して、椎也は眉間に皺を寄せてこちらを睨んでいた



「ごめんなさぁい…」



あはっと笑いながら謝ったら


「ふーん…そんな謝り方でいいのかなぁ…?そっかそっか…、柚ちゃんはそんなに人参食べたいんだねー。じゃあ、あとでキャロットジュース飲ましてあげるね」



と地獄の言葉をはなった



それを聞いた瞬間フルフルと首を振り



「ごめんなさい」と真面目に謝った

そしたらふっ、って鼻で笑われた…


だって…人参大っ嫌いなんだもん…!!


世界No.1の総長が…ってなるけど、嫌いなもんは嫌いなんだよ!!



椎也なんて嫌い。鬼!!って思ってると


「なぁ…いい加減にしてくんない?」



閻魔大王さま並の声が聞こえてきた。



ものすんごく低い声。



顔をひきつらせながらも声の主の方を見た



「ひぃ…!」そこには殺気をだし、こちらを睨んでいる嵐がいた



お、鬼のお顔だ…




「………」



「うぇ…」


怖いです…



「ふっ、そろそろ話を始めようか?」



あ、そうだ


「うん」