龍なる羽 弐【完】



柚李side


今からしぃに話す。

嵐に聞いたこと全部。


まだ話すのが怖いけど…しぃならちゃんと聞いてくれるよね?


意を決意し口を開こうとしたら


「俺が言うよ」


ドアの方から聞き覚えのある声が聞こえた


振り返ると、ポケットに手を突っ込んでこっちを見ている嵐の姿があった



「あらし…」



「柚、俺が椎也に話すよ」


嵐はそう言って柔らかく微笑んだ



私はその笑顔に安心して「お願い」と言った



すると、「りょうかい」と言って、近くにあったイスに座った




椎也はさっきから嵐をずっと見てる



嵐はその視線に気づいたのか



「何?」と聞いた



椎也は「いや、で、何?」と聞き返していた



なんか、ぎこちないなぁ…



空気が重い…


うぅ…


我慢できなくなった私はバカなことをした



「あー!!なんでこんな空気なの!?

嵐!あんた楽しまなくていいから!!!

しぃもぎこちなさすぎ!!!」




逆ギレ?しちゃいました…



言い終わると、シン…ーと物音一つ聞こえなかった



それが数十秒たったとき



ふはっと耐えきれなくて吹いたみたいな笑い声が耳に届いた



その笑い主は、真横にいる、椎也



「なんで笑うわけ?」


「べ、つに…」


椎也は肩を震わせながらそう言った



「あのねー「じゃあ、そろそろ本題に入ろうか」」


被せんなよ…



マジでキレていいですか?