「……っ…!り……ずり…、柚李!!!」
「わっ!?」
だれかの声で目覚めた
「おい、大丈夫か!?」
どうやら声の主は嵐だったみたい
「へ?何が?」
何が大丈夫なのか分からない私は嵐に聞いた
そうしたら、思いっきりため息をつかれて呆れた声で言われた
「ったく…何に怯えてたのか知らねぇけど、ずっと魘されてたから心配したんだよ」
このバカと頭を叩かれた
「痛いっ!」って言おうとしたら、
声が出なかった
“あの夢の中と同じように…ー”
嵐に言われて思い出した。
今でも男の…声、手首を掴まれた感触が残っている
寒いわけではないのにガタガタと体は震えだし
額からは汗がにじみ出ていた
頭は恐怖心でいっぱいだった
嵐も私の様子がおかしいのに気づいたのだろう
「柚!?柚!!」
視界がぼやけるなか、焦っている嵐が見えた
駄目だ…
気持ち悪い。
「……………助けて」
私は小さくそう呟いて、プツン…ーと意識を手放した