ようやく辿りつくと
「今日は大事な話がある」
と真面目な顔で言った
「………何?」
「ふ…、そんな深刻の話じゃねぇよ」
なんだ~
「じゃなんなの?」
私が聞くと嵐はいったん深呼吸をしてから口を開いた
「実はな
あいつらがこの町に戻ってきた」
ドックン
心臓が大きく脈うった
その勢いは止まることなく逆に速くなった
ドクン…ドクンと
「そ、れで?」
「おまえはどうしたい」
真剣な目で見つめられ一瞬ドキッとした
…じゃなくて
「どうするって?」
「だから、あの日はまださきだろ?」
「う、ん。…でもなんであんたがこんな事知ってんのよ」
「ハッ…俺の情報網なめんなよ?」
「別になめてないし」
「で、何が言いたいの?」
「柚は約束を守る必要なんてない」
いきなり言い出した
「は?」
と聞き返すと
「約束を守る必要なんてない」
繰り返して言った
いや…なんて言ったかはちゃんと聞こえましたよ?
私が聞き返したのは意味が分からなかったからであって…
「おい、全部声に出てんぞ」
「うい」


