目をタオルで冷やしているとコンコン、とドアが叩かれた



「誰だ」


「蒼ですけどー…」


蒼ねぇ?!


えっ、嵐いたらまずいじゃん!!


「別に大丈夫だろ」


「へ…?」


「だって、俺今変装中だぜ?

バレないだろ」


……そうかなぁ。


蒼ねぇ気づきそう…


でも嵐、バレない自信大ありだから言わないでおこっ


「おー。入っていいぞ」


「失礼しまーす


………あれ?柚いたの?

それと…どちら様?」


き、気づかなかった!!!


チラッって嵐を見たら…



超!ドヤ顔で見返してきた


むっかぁ!!


なにあれ!!


むかつく…


「ゆず?


あんた、頭おかしくなった?」


「なってないから!!!


もう、蒼ねぇまで……


行くよ!!」


「おいっ


龍騎さん…また」


「おー、じゃあな…

柚と“大知”」


“大知”…?

龍騎は嵐をみてニヤって笑った

どっかで聞いたことある…



あぁ!!!


「椎也が言って…んぐぅ…」


「黙れ」


ひぃ…


怖い


口塞がないでよぉ…


「モゴモゴ…

フガ…」


苦しい…

パタン

「はぁー…」


やっと解放された



「おまえなぁ…


余計なこと言うなよ!!!」


「うっ…


でも、そうなんでしょ?」


そう言うと嵐は「あぁ、そうだよ」と小さく呟いた…


それはホントに小さくて今にも消えてしまいそうだった…。


まだ、私に言ってないことあるんだね…



もう…どこにも行かないで


嵐までいなくならないで…