あたしは遅刻届を受け取り、ペンをはしらせ、教室へと戻った。
ミスターにだせば、放課後の呼び出し付きで「座れ」と言われた。
座ったとたん、後ろから肩を叩かれ、後ろを向く。
後ろの席は、爽やか少年、川崎くん。
「ん」
渡されたのは、乱暴に破かれた紙の切れ端。
二つに折られている。
あたしはそれを受け取って、紙を開く。
紙には、【目、赤いけど、大丈夫か?】と書かれている。
……バレてるし。
朝、冷やしたんだけどなぁ……。
あたしは、ゆっくりとミスターにバレないように返事を書く。
【大丈夫だよ。ありがとう】
そう書いて、後ろへと渡した。
