「高校生の前で吸うなんて、どんな神経してんだっつの」
あ……気、使ってくれたんだ。
「ぁ、ありがとう、ございます……」
「話、だっけ? ここじゃなんだし、外出ようぜ」
「ぁ、うん……」
梶さん……
そんな、あからさま困ったような顔、見せないでよ。
外に出て、近くのベンチに座る。
「話って?」
「……梶さんは、本気で誰かを好きになったことはある?」
想いを伝えるはずだったのに、自然とこんな言葉がでてきた。
梶さんは、少し切なそうに「あるよ」と言った。
……わかってる。
その相手は、あたしじゃない。

