【完】*運命論*






──カランコロン


お店のドアが開く音が聞こえ、そっちに目を向けると、

そこには……

「よっす、智也、尚紀」

「ちわーって、掃除終わってないじゃないっすか!!」

「おー、頼むわ」

「マジで……」

「尚紀、お前に客だ」


そう言って、タバコを取り出す東さん。

だけど、そのタバコを素早く、梶さんが取り上げた。


「禁煙です」

「ばっきゃろ。吸いたい時に吸うんだよ。

……あぁ、なるほど。ったく、不器用な奴が多くて困るわ。

よかったな、唯ちゃん。案外、大事にされてんじゃん」

「あず」

「ふん。まぁ、ゆっくり話し合え、若僧」


東さんはそう言って、店のソファに寝転がった。

そんな東さんに「寝るんなら掃除してくださいよ」と、笹木さんが呆れながら言っている。