「ここの店、誰が建てたか知ってる?」 「? 東さん、じゃ……」 「まぁ、2人で建てたんだ」 「誰とですか?」 東さんはニッと笑って、 「尚紀」 と答えた。 「ぇえっ?!」 「まぁ、正確に言えばぁ、うち等の親? ここの店の名前をつけたのが、あいつなんだよ」 「ティラミス、ですか……?」 「そ。 ぁ、ほい、コーヒー」 「ぁ、ありがとうございます」 あたしはコーヒーを受け取り、口にする。 「ぶっ」 思わず、吹いてしまうほど…… ぶっちゃけ、まずかった。