プリクラが終わって、帰りの電車の中あたしは撮ったプリをずっと見ていた。

「にぃ、そんな見んな。恥ずかしいだろーが」

「だってだって、あたしの方が顔大っきく見える……」

「アホゥ。んなのプリクラの所為だろ。つーか、俺はこの目のデカさの方が気になる」

「あー梶さん、女の子みたいに大っきいもん」

「嬉しくねーよっ」

そうクシャッと笑った梶さん。

そんな笑顔に、胸が高鳴る。


「……梶さん」

「ん?」

「梶さんは、彼女いるの?」

「いる奴が合コンなんかに行くかよ」

「じゃあ、いたことはある?」

「……ないよ」


……あぁ、あるんだ。

だって、梶さん、今目逸らしたじゃん。