観覧車は、すごい混んでいたけど、すぐに順番が回ってきた。
「わぁ、キレー……」
「だな。すげぇ」
「……ねぇ、知ってる?」
「頂点でキスをしたら永遠にその恋が叶う、だろ?」
「うん。あたしね、ずっとそういうのに憧れてたんだ」
「ずっと?」
「好きな人とか全然できなくて。だから、いつか素敵な恋がしたいなって」
「……いいな、そういうの。
俺はもう……遅いから」
「全然大丈夫だよっ!!」
「どっからそんな自信くんだよっ」
「だって、
生きてる間に、恋なんて何度もできるじゃんっ!」
「……」
「そのうち、一回くらい、素敵な恋ができるって、思わない?」
そう言った瞬間、梶さんはそっとあたしを抱き寄せた。

