笹木さんと話していると東さんが「こらぁ、そろそろ時間だぞー」と声をかけてきた。
「はーい。じゃあ、行きますね」
「おぉ。俺も着替え終わったら行くな」
あたしは急いでレジに入る。
──カラン
ドアが開く音がして、あたしはバッと顔をあげた。
「いらっ……」
信じてた。
連絡がなくたって、きっと……帰ってきてくれるって。
この恋に、後悔なんて1つもない。
だって、苦しい思いをしても、その後には必ず幸せになれるから。
今だって、ほら……五年も苦しい思いをして待っていたら、
幸せになれる魔法の言葉が聞こえてきた。
「アイスココア、1つください」
─F I N─