【完】*運命論*






「え、梶さん、メリーゴーランド乗らないの?」

「いや……俺もう19だし」

梶さんは「乗れる年じゃねーなっ」って苦笑いをした。

そっかぁ……。

まぁ、確かに、大学生になったら、あたしも少し恥ずかしいし。


しばらくすると、「あー」っと梶さんは自分の髪をかいて、ポンッとあたしの頭を優しく撫でた。

「しょうがねぇなぁっ! 一緒に乗ってやるっ!」

「ほんとっ?!」

「ほんとほんと」

「やったぁっ!」

「ははっ」

梶さんは小さな子供を見るような目で、あたしに優しく笑いかけた。

そんな笑顔に、胸が高鳴る。