「そういえば、奈南さん、だっけ」

「箕原さんですか?」

「最近、年下の彼氏できたっぽいぞ」

「ぇえっ?! 年下っ?!」

年上っぽいけどなぁ。

梶さんも年上だったし。

「人生なにが起こるかわかんねーよなぁ」

「……ほんとに」

恋を全く知らなかったあたしが、こんな風に恋をするなんて。

全然思いもしなかった。

その恋は、決して楽しいことばかりじゃなかったけど。

それでも、

恋するキモチを知って、

苦しい恋を知って、

誰かの特別を願って、

誰かの幸せを願った。