あの日から……五年。

あたしは、梶さんと同じ大学に合格した。

そして、ティラミスでバイト中。



ねぇ、梶さん……あたし、あの日から、梶さんを忘れた日は一度もないよ。

ずっと待ってるよ。



「ゆーいちゃん」

「笹木さん、こんにちは」

「おぉ、今日は何時あがり?」

「えっと、18時ですね」

「夏休み中っていっても、課題とか大丈夫か?」

「ぼちぼちですっ」

「ははっ。……連絡、ないのか?」

「……はい」


五年経っても、梶さんからの連絡は一度もきていない。

あたしのとこにも、笹木さんのところにも、箕原さんのところにも。