「ついたよ」

「ぁ、ありがとうございますっ!!」

「第二ターミナルの三階」

「……ありがとうございますっ」

あたしは、車から降りて、全力で走った。

えっと……第二ターミナルの三階……。

「にぃ?」

後ろから声がして、振り返れば、大きな荷物を持っている梶さんの姿。

「梶さんっ……」

「……おっす」

「あたし……っ、ずっと、ずっと待ってるからっ!!」

「……」

「何年後だって、何十年後だって、あたし……ッ、梶さんのことずっと待ってるっ!!


ずっと、大好きだから……っ」



目に涙が溜まる。

ダメ……この日は、泣かないって決めたの。


だって……梶さんが好きな、笑顔で見送りたい。