『だって、光は、浴びるものでしょ?』
ほんと……にぃ、お前はすげー奴だよ。
こんなにも、前を向かしてくれるんだもんな。
にぃといつもの交差点で別れれば、結構寂しくて。
戻ってにぃを送っていこうかな、みたいなこと考えてたりしてさ。
自分でもビックリすほど、
にぃに溺れてるんだ。
途中のアクセサリー屋に入る。
「すみません。以前、予約しておいたんですが」
「はい。これで間違いありませんか?」
「はい。お願いします」
お金を払って、頼んどいた物を受け取る。
店から出れば、奈南が立っていた。
「それ、ブランドものじゃん」
「? そうなのか?」
「はぁ? ……あの子に、プレゼント?」
「まぁな。帰るか」
「……ねぇ、いつまで、あたしはなおの家にいていいの?」
「いつまでもいろよ」
「本気?」
「あぁ。出て行っても良いし、また帰ってきてもいいよ。だから、これ、渡しとくな」
俺は奈南の手に、自分の部屋の合鍵を渡した。
「……いいの?」
「あぁ。奈南が持っといて。そんで、俺が帰ってきたときに、美味い飯用意しといてよ」
「……それ、言う相手違うんじゃないの?」
「にぃには、こっち渡すんだよ」
俺はさっき買ったアクセを、奈南に見せた。
奈南は目をまん丸にして、「あっそ」と苦笑いをした。

