……俺も、そろそろ、前に進まないとダメだよな。


『あいつも、太陽みたいな奴だったんだ』

初めて、だよな。

俺から……菜摘の話をするのは。

それでも、やっぱり真っすぐな目で聞いてくれて。


まぁ、話振ったのは……他に理由があった。

誕生日プレゼント渡すため。

あの日、初めてにぃの誕生日知ったからな。

買って渡せなかった。

でも……今なら、渡せると思って。

ちゃんと菜摘のことを話して、自分の中でケジメをつけて。

それで渡そうと思ってたんだ。

『誕生日おめでとう、にぃ』

って、こんなことで泣いてんじゃねーよ。

でもさ……この涙は、今までと違うよな。

今までの、悲しい涙じゃないだろ?


初めて……


嬉し涙を流してくれたよな。