「で、行くの、アメリカ」 「……まだ決めてねーけど。行かないといけねーよな」 「ふぅん」 「とりあえず、夏休み明けになったから、本格的に考える。今は大学の方とか忙しいし」 「そっか」 少し腑に落ちないような顔で、奈南は返事をした。 行かないといけない。 だけど…… にぃの、側を離れたくないってのが、俺の本心で。 「……参るよなぁ、菜摘」 俺は苦笑いをして、ベッドで目を瞑った。