【完】*運命論*







翌日、俺はバイトを休んで、あの日行けなかった菜摘のところへと向かった。


「……久しぶり、菜摘。今まで来れなくてごめん」


来ちゃ、いけないと思ってたんだ。

……いや、逃げてたんだ。

菜摘は、俺を恨んでんじゃねーかって思ってたから。

会いにきてなんて、欲しくないんじゃないかって。


でも……そんなの、俺の逃げる理由でしかなかった。


「菜摘、俺さ、すげー好きな奴ができた。菜摘とどっちが好きって聞かれたら、正直、あいつが好きって言う。そんだけ好きなんだよ」


笑顔も、仕草も、表情も、どこか菜摘に似ていて。

でも……こんな俺を、本気で好きになってくれた。



「……菜摘、今度はそいつ連れてくるな」



俺はそう言って、自宅へと帰った。