「……はぁ」 受話器を置いて、ソファに座る。 ……行かないといけない。 もう、逃げてらんねーよな……。 だけど……今は、にぃの側にいたいんだ。 「……あの人から?」 「……奈南」 奈南は、俺の隣に座った。 「……あぁ。アメリカに来いだとさ」 「……行くの?」 「行かねーとな」 「……あの子の側、離れたくないんでしょ?」 「あぁ。二年前と同じだよ」 菜摘の側にいたくて、菜摘を守りたくて。 俺は、逃げたんだ。