「梶さん、この後、いいですか?」
真剣で真っすぐな目で聞く美由ちゃん。
たぶん、大事な話なんだろう。
俺は「いいよ」と頷いた。
「よかった。じゃあ、アイスココアで」
「370円になります」
バイトが終われば、俺は急いでティラミスを出る。
外に出れば、近くのベンチに美由ちゃんが座っていた。
「わりっ」
「いえ、大丈夫です」
「話、って?」
「……唯のこと」
「……」
「……ほんとは、あたしが話していいことじゃないけど」
話しにくそうにしている美由ちゃん。
美由ちゃんは、真っすぐな目で口を開いた。
「唯の親、今……全然、家に帰ってきてない、んです」
「……」
「夜も朝も、ずっと一人。あたしが行きたいんだけど、でも、唯は作り笑いしかしないから……」
俺は美由ちゃんの隣に座って、話しを聞く。

