【完】*運命論*






「……大丈夫。尚紀、なおなら逃げる必要ない。なおならできるから。

あたしが惚れた男でしょっ?」


得意げに笑う奈南を、俺は、そっと優しく抱きしめた。



「……サンキュ」

「がんばれ、なお」



満面の笑みを見せる奈南。


奈南……

俺は、何度奈南を泣かせた?

俺の知らないとこで、

何回涙を流した?



その小さな恋心を、いつから……。




奈南と離してる間、俺のケータイが鳴っていたことに、俺は気づかなかった。