「……まだかなぁ」

そんなことを、改札前で呟く。

実は……今日は、梶さんとデートだったり。

いや……デートっていうのかな?

あれから、数週間。

梶さんとはよくメールと電話をしている。

あたしからすることはないんだけどね。

恥ずかしすぎて、できないし。

ケータイを見つめながら待っていると、前から「にぃっ!」とあたしを呼ぶ声が聞こえた。


「梶さんっ!」

「わりっ、遅くなって」

「ううんっ!」

「……そっか! んじゃ、行きますか。遊園地」

「うんっ!!」


あたしは梶さんの隣を歩く。

あたしのペースに、歩幅を合わせてくれてるって、わかるんだ。