【完】*運命論*







自宅に戻れば、奈南が「なお!」と抱きついてきた。

重なられそうになる唇。

俺はそっと、奈南から離れた。


「なお? なに、どうしたの?」

「奈南、ごめんな」

「は?」

「ごめん」

「なに? また、あの子? 幸せにしたいんでしょ? だから、あたしに縋ったんでしょ?」

「うん。すげー幸せにしてあげたい。だけど、それよりしてあげたいこと、できた」

「……」



「笑わせてやりてーんだ。守ってやりたい」




大切すぎる存在を。

愛しすぎる君を。