【完】*運命論*






……今すぐ、抱きしめてーよ。

でも、今の俺にそんなことが許されるわけがねーんだ。

理性を抑えて、離れようとすれば、にぃは思いっきり胸に抱きついてきて。

『梶さんが、他の人とつき合えなんて言わないで……ッ』

にぃは、たまらなく切ない顔して、

唇を重ねてきた。



……ごめん。

奈南、ごめん。

『だから今度は、俺が幸せあげたいんだ』

なんて言ったけど……

今、胸の中にいる、大切な人を、離したくねーんだ。


抱きついてきたにぃを、力一杯抱きしめて。

『今だけ……ごめん』

ごめん……


ごめん、菜摘。



俺も……

『ねぇ、なお。ずっと、ずーっと、一緒にいてね? 約束!』


その約束、果たせそうにねーわ。