それから、俺はできる限り奈南の側にいた。
必死に、菜摘を忘れないように。
ティラミスの前で奈南と待ち合わせていた日。
「なおー!」
そう満面の笑みで俺の胸に飛び込んできた奈南。
俺はギュッと抱きしめる。
だけど、その次に聞こえてきたのは
『報われない想いなんて、捨てちまえよっ!!』
俺は、その声がした方を向いた。
目に映ったのは……にぃを、知らない男が抱きしめてる姿。
飛び出しそうになった俺を、奈南が俺の手首を掴んだ。
「奈南」
「キモチは、あの日で終わりにしたんでしょ?」
「……っ」
「なお、答えて。
あの子のこと、好きなの?
お姉ちゃんのこと、忘れるくらい」
「……好きだよ」

