唇が離れれば、奈南はたまらなく切ない顔をしていた。 この顔……これで、何回目だろうな。 こんな顔……してほしくねーのに。 させてるのは、俺なんだ。 「奈南、行くな」 「うん、いってらっしゃい」 ……やべ。完璧遅刻だな、これ。 ……菜摘がこんな俺見たら、 『逃げちゃダメだよ、なお!!』 なんて、怒鳴られるんだろーな。 でも、 自分の進む道が、わからなくなる。