あたしはすぐに梶さんの家へと向かった。

インターホンを押せば、箕原さんがでて、中に入れてもらった。


「おっす、にぃ」

「……こんにちは」


梶さん……その笑顔は、誰に向けているの?


胸が、痛い。

箕原さんは……ずっと、ずっとこんな思いで梶さんの隣にいたのかな……。

自分が、ナツミさんの代わりと知っていて。


今なら……わかる。

梶さんがどれだけナツミさんのことが好きか。

今のこのマンションの部屋……梶さんが決めたってが言ってた。

『何個か選択しがあったんだけど、俺が選んだ』


”723号室”




”ナツミ”





梶さん……その想いは、今も続いてるの?