「ぁ、わりっ。歩くの早いよな」
「だ、大丈夫ですっ」
「手、つなごっか」
「へっ?!」
「その方が、歩幅合わせやすいし」
そう言って当たり前のように、梶さんはあたしの手を握る。
恥ずかしくて恥ずかしくて、あたしは手に汗がたまらないようにするのに、必死だった。
「新垣さんってさ、男慣れ、してないでしょ」
「は、い……」
「だろうと思った」
「な、なんで、ですか……?」
「いやっ。反応が初々しいからさ」
カァァァと、顔に熱が溜まる。
そんなあたしを、梶さんはクスクスと笑う。
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