【完】*運命論*






箕原さんは一枚の写真をテーブルに置いた。


箕原さんと、梶さんと、もう一人……。

箕原さんと顔が似てる……。

この女の人が、”ナツミさん”。


「あたしの双子のお姉ちゃん。唯ちゃんと似てるってのは……雰囲気、かな」

「雰囲気、ですか?」

「お姉ちゃん、ほんとバカっていうかアホな人でさ。まぁ……お人好し、かな」


ゆっくりと、少し懐かしそうに話す箕原さん。


「元気で明るくて無邪気で。
だからさ、お姉ちゃんが彼氏って言って、なおを連れてきたときは驚いた。彼氏なんて、似合わないんだもん。

……見ててわかったよ。
お姉ちゃんはこの人を本気で好きなんだって。この人も……本気でお姉ちゃんが好きなんだって」


切なそうに話す箕原さんは、やっぱり……


「それで、だんだん、あたしも、なおのことが好きになっちゃったの」



梶さんのことが好きなんだ。