「つーか、たまたま同じ誕生日だったんだけどなっ。この前は、俺と菜摘の誕生日会だったんだ」

「ぁ、あたし、プレゼント……」

「ふっ。全然いいって。んで、これ」


梶さんは鞄の中から、可愛くラッピングしてある袋を出した。


「随分、遅くなったけど。ずっと渡したかった」


自然と、涙が目に溜まる。


「……誕生日おめでとう、にぃ」


優しく、ニッと笑う梶さん。



どうして……


どうして、この人は、







こんなにもあたしに、涙を流させるんだろう。