「つーか、たまたま同じ誕生日だったんだけどなっ。この前は、俺と菜摘の誕生日会だったんだ」
「ぁ、あたし、プレゼント……」
「ふっ。全然いいって。んで、これ」
梶さんは鞄の中から、可愛くラッピングしてある袋を出した。
「随分、遅くなったけど。ずっと渡したかった」
自然と、涙が目に溜まる。
「……誕生日おめでとう、にぃ」
優しく、ニッと笑う梶さん。
どうして……
どうして、この人は、
こんなにもあたしに、涙を流させるんだろう。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…